保護者の方の中には、「中学受験にリビング学習が効果的なの?」と疑問を持たれている方も少なくないでしょう。
そこで今回は、中学受験におけるリビング学習のメリットとポイントを解説していきます。
小澤 珠美
大学卒業後、15年間大手進学塾・株式会社早稲田アカデミーで、高校受験・中学受験の指導に従事。特に中学受験において、算数指導、受験指導、保護者の方のサポートに尽力し、合格実績に貢献。2009年度志望校別クラス・NN女子学院クラス総責任者。2010年に独立。
リビング学習のメリット
さて 中学受験をしていくにあたって、「お子さんの力が50%、保護者の力50%」 。
このパワーバランスで受験勉強の日々を過ごされているご家庭が、成功していると実感しています。
皆さんのご家庭は、いかがでしょうか? このバランスが、上手にとれているでしょうか?
このあたりのバランスを、上手にとっていくためにリビング学習の活用をおすすめします。
お子さんが、自室で勉強している場合、どうしても家族の目が届きにくくなってしまいます。本人は、「頑張っているよ、集中してやっているよ」とは言うものの、保護者の方は不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか?
リビングであれば、お子さんが、どんな風に鉛筆を動かしているか。あるいは、どんな風にテキストを読み、問題に取り組んでいるか。そうした姿勢がはっきり見えます。
ご家庭によっては、とりわけ小さなお子さんがいらっしゃる場合、なかなかリビングでの勉強は難しい、というケースもあるでしょう。
ただ、弟さんや妹さんにとっても、上のお兄ちゃん・お姉ちゃんが、リビングで一生懸命、頑張っている姿を見れば、何か感じるものがあるはずです。
また、「家族みんなで、あなたの受験を応援しているよ」というメッセージを伝えることも可能でしょう。
そうした意味でも、リビングやダイニングといった、家族の集まる場所での勉強というのは効果的だと思います。
もちろん、リビングでの勉強が全てである必要はありません。でも、そういう時間帯をつくることで、お子さん自身も、「家族の協力あってこその受験なのだ」、ということを感じてくれるのではないでしょうか。
リビング学習のポイント
リビング学習の難しい点が、「雰囲気づくり」です。
仮に、保護者の方が、勉強を監視するという観点で、リビングでの勉強を支えていたとしましょう。そうすると、お子さんはきっと、非常に窮屈な思いをされるはずです。
それだけではありません。周りにいらっしゃる、兄弟姉妹も、ひょっとしたら、愛するペットも、苦痛を覚えるかもしれません。
ご主人や、おじいちゃま・おばあちゃまも、居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。こうなっては、「負の連鎖」になってしまいます。
あくまでも、リビング(ダイニング)は、ご家族が集まる、憩いの場であるべきです。ですから、リビング学習の「雰囲気づくり」は、とても大切です。
勉強を監視するためではなく、適度な距離をおいて見守る。そんなスタンスで、リビング学習を応援してあげてほしいと願っています。