保護者の方の中には、「朝の時間を有効に中学受験の勉強に使いたい!」と要望される方も少なくないでしょう。
そこで今回は、中学受験の勉強において朝の時間をどのように活用すべきか解説していきます。
小澤 珠美
大学卒業後、15年間大手進学塾・株式会社早稲田アカデミーで、高校受験・中学受験の指導に従事。特に中学受験において、算数指導、受験指導、保護者の方のサポートに尽力し、合格実績に貢献。2009年度志望校別クラス・NN女子学院クラス総責任者。2010年に独立。
【中学受験の準備】4年生になるまでにしておきたい
4年生になるまでに学習習慣を身に着けたい場合、「朝学習」の習慣づけがおすすめです。
「朝の時間」は、学校の勉強や他の習い事の影響を、比較的受けづらい時間帯です。「机に向かう習慣」が、登校前にできると、その後の勉強の進め方が、ぐっと楽になってくるでしょう。
4年生・5年生からの受験勉強は、なかなかハードなものです。はじめて塾通いするお子さんにとっては、塾での学習や宿題をこなすことだけで手一杯になってしまう、というケースは少なくありません。
毎朝、一定の時間を「勉強」にあてられれば理想的ですが、なかなか難しいのも実際問題としてあるでしょう。
3年生の段階で、毎日30分はちょっと大変だなあ、ということでしたら、まずは、10分・15分でもいいと思います。
中学受験の勉強が始まる、3年生の2月頃までに、「朝学習」が習慣化され、机に向かう時間も、徐々に長くなって……そんな風になっていれば、素晴らしいことです。
朝学習では計算練習がおすすめ
朝学習のおススメは、「計算練習」です。算数の計算力は、「突然変異」で、急激に伸びたりすることはないからです。
学校の宿題は、朝慌ててやるようなものではなく、学校から帰宅後、すぐに取り組むのが理想です。
朝は、しっかり計算練習をする、という習慣が早いうちからついていることで、4年生・5年生・6年生と、学年を追っていっても、この習慣が続きやすくなります。
中学受験を攻略するために重要な算数に力を入れるべく、「朝学習」としては「計算練習」をおススメしたいと思います。
朝学習に最適な学習量
「100マス計算」や「計算ドリル」など、時間のかかるもの、あるいは、量をこなさなければならないものであったりする必要はないでしょう。
低学年であれば、5問程度でしょう。
時間を決め、時間を計り、ある意味、ゲーム感覚で取り組むべきです。
ただし大事なことは、その場で答え合わせをし、間違いがあれば、その場でしっかり解き直しをすることです。
「朝学習」の習慣が、3年生のうちについていると、その後の展開が変わってきます。
4年生以降の勉強は、計算だけではありません。が、算数において、基礎になるのはもちろん計算です。
それだけではありません。発展的に、他教科の勉強に取り組んでいくなかでも、身に着けた学習習慣は、大きな力を発揮してくれることでしょう。
もう一度繰り返します。 朝、短い時間で構いません。計算練習をしましょう。目標時間を設定し、その場で採点をしましょう。「直し」も、その場でやってしまいましょう。
「朝学習」を、ぜひ良い習慣として、お子さんに身につけさせましょう。
暗記問題は夜に取り組む
ところで、「漢字」だとか、理科・社会の「暗記もの」は、どうでしょうか? これらも、朝、取り組むべきでしょうか?
じつは、暗記系は、「夜」がいいようです。睡眠を通して、脳にしっかり残ってくれるそうです。
夜、眠い目をこすりながら、頑張って覚えたものは、比較的、頭に残っていた。テストでも何とかなった。そんな経験がみなさんにも、あるのではないでしょうか。
「朝にガリガリ漢字」というのは、あまり効果的ではないため、夜に取り組みましょう。
学習時間の「振り分け」ということも、ご家庭での学習の仕組みの一環に、と取り入れてください。