中学受験算数の「濃度に関する問題」の解き方や考え方を徹底解説!

「濃度に関する問題」は中学受験頻出の単元のひとつです。

基本パターンを確実に処理した上で、発展問題も数多く演習を重ねていきたいところです。

基本的には、食塩水全体に占める食塩の割合を考えていく問題です。

食塩水の濃さ🟰食塩食塩水

こちらの公式を使いますが、覚え方として下記のような図を活用するのも良いでしょう。

本記事の監修者

モコスタ統括マネージャー
小澤 珠美

小澤珠美

大学卒業後、大手進学塾で高校受験・中学受験の指導に15年間従事。特に中学受験において、御三家中学をはじめとする超難関校の算数指導・受験対策・保護者のサポートに尽力し、合格実績に貢献。
その後独立してさらなる成果を出し続けモコスタ専属の指導者となる。これまでに蓄積したすべてのノウハウを投入し、モコスタに通う受験生全員の第一志望校合格を全力でサポートする。
著書:『中学受験超成功法「ママは楽しく息を抜く」』ギャラクシーブックス 2017年
共著:『未来を創る〜私たちが選んだ道〜 輝く女性起業家』ブレインワークス 2017年

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目次

濃度に関する問題とは

中学受験の「算数の濃度に関する問題」とは、主に食塩水や砂糖水などの溶液の中に、どれくらいの割合で物質が溶けているかを扱う問題のことです。

ここで言う「濃度」とは、全体の重さに対して溶けている物質の重さがどれくらいの割合か(%)で表します。

この単元では、以下のような状況がよく出題されます。

  • 食塩水を混ぜて新しい濃度を求める
  • 食塩水に水や食塩を加えて濃度を変える
  • 一部の水が蒸発したときの濃度の変化を考える

基本は上記のようになりますが、入れ替えの作業を何度か取り入れたりすることで難易度を高めた問題が中学入試では出題されます。

濃度に関する問題の例題①

⑴100gの水に25gの食塩を混ぜた時、できた食塩水の濃さは何%ですか。

25÷125=0.2

               答え  20%

⑵ 20%の食塩水300gには、何gの食塩が溶けていますか。

食塩の量=食塩水×濃さ

300×0.2=60

        答え 60g

濃度に関する問題の例題② 蒸発に関する問題

(問題)
6%の食塩水が100gあります。これを煮詰めて、10%の食塩水にするとき、何g蒸発させますか。

(解法1)
蒸発をしても、塩の量は変わらないので、塩の量に注目します。
   100×0.06=6g
   6÷0.1=60g…食塩水
   100ー60=40

    答え 40g

(解法2)
書き方をひと工夫すれば、てんびんを使って解くことも可能です。
 6%      水       10%
 100g     □g蒸発  

話を逆にさかのぼっていきます。
つまり、水□gと10%の食塩水を混ぜて、6%100gを作るようにします。

2⃣∔3⃣=5⃣…100g
2⃣=100÷5×2
 =40(g)

このように解くこともできます。

次は、2種類以上の食塩水を混ぜていきましょう。

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濃度がそれぞれ3%、5%、8%の食塩水があります。
これらの食塩水を2種類以上混ぜて、6%の食塩水を300gつくります。
ただし、最初の3種類の食塩水はすべて十分な量があるものとします。
このとき、次の各問いに答えなさい。

(1)濃度が3%の食塩水と8%の食塩水のみ混ぜること気、それぞれ何gずつ混ぜることになりますか。

2種類の食塩水を混ぜるときは、てんびんや面積図を使って処理していくのが便利です。

 (6-3):(8-6)=3:2

重さの比は支点からの距離の比の逆比になるので、X:Y=2:3

  2⃣∔3⃣=5⃣…300g
  2⃣=300÷5×2
   =120g
  
  3⃣=300÷5×3
   =180g

    答え 3% 120g、8% 180g

(2)濃度が8%の食塩水をなるべく少ない量にして作るとき、8%の食塩水は何%混ぜることになりますか。

6%より薄い食塩水、3%と5%のものをできるだけ多く使うことになりますが、3%を全く使わなければ、8%を少なくすることができます。よって、5%と8%をのみを混ぜるように考えていきましょう。

(6-5):(8-6)=1:2

重さの比は支点からの距離の比の逆比になるので、X:Y=1:2

  2⃣∔1⃣=3⃣…300g
  2⃣=300÷3×2
   =200g

  1⃣=300÷5×1
   =100g

    答え 8% 100g

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容器Aに濃度□%の食塩水が100g、容器Bに濃度5.4%の食塩水が30g入っています。
容器Aから70gの食塩水を容器Bに移してよくかき混ぜたあと、容器Bから50gの食塩水を容器Aに移してよくかき混ぜたところ、容器Aの食塩水の濃度が8%になりました。

これもてんびんで整理していきましょう。

条件を整理すると上のようなてんびんになります。

この問題では、できたB’の食塩水とAの食塩水を再び、混ぜるため、上下のてんびんを並べて書きます。

B’からAの長さは同じ食塩水を混ぜるため、等しいので比をそろえていきます。

比をそろえると下記のてんびんになります。

  56∔9=65にあたるのが、8-5.4=2.6(%)
  2.6÷65×15=0.6(%)
  8∔0.6=8.6(%)

    答え 8.6%

このようにてんびんを上下に重ねて解く問題は、てんびんが効果的です。

まとめ

「全体の量」「溶けている物質の量」「濃度」という3つの要素の関係をしっかり理解することが求められます。

単なる計算力だけでなく、筋道立てて考えたり、状況を図や表で整理する力も重要とされる分野となります。

濃度に関する問題では、特にてんびんなどのツールの特性をいかし、効率よく解いていけるように練習していきましょう。

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