中学受験算数の「場合の数」|受験における重要単元とその攻略法

場合の数」は、中学受験に限らず、高校・大学受験でも極めて重要な単元の一つです。

この単元は単に計算力や暗記では太刀打ちできず、論理的思考力・条件整理力など、幅広い能力が試されます。

言い換えれば、「中学受験の範囲に高校数学とほぼ同等の内容がすでに降りてきている」といっても過言ではありません。

一方で、算数が得意な子どもでも「場合の数」には苦手意識を持つケースが少なくありません。

それは求め方が一つではなく、問題ごとに条件を整理し、アプローチを変えていく柔軟な思考も求められるためです。

そこで、場合の数を攻略するために意識すべき3つの学習ポイントを紹介します。

本記事の監修者

モコスタ統括マネージャー
小澤 珠美

小澤珠美

大学卒業後、大手進学塾で高校受験・中学受験の指導に15年間従事。特に中学受験において、御三家中学をはじめとする超難関校の算数指導・受験対策・保護者のサポートに尽力し、合格実績に貢献。
その後独立してさらなる成果を出し続けモコスタ専属の指導者となる。これまでに蓄積したすべてのノウハウを投入し、モコスタに通う受験生全員の第一志望校合格を全力でサポートする。
著書:『中学受験超成功法「ママは楽しく息を抜く」』ギャラクシーブックス 2017年
共著:『未来を創る〜私たちが選んだ道〜 輝く女性起業家』ブレインワークス 2017年

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目次

1. 公式に頼りすぎない

「場合の数」を学ぶ際、多くの子どもが「公式」を頼りにしがちです。

特に「積の法則」や「順列・組み合わせ」などを覚えて、それだけで解こうとする傾向があります。

しかし、公式はあくまで道具の一つであり、それを適切に使うには条件の理解と場合分けの力が欠かせません。

その意味でも、基本に立ち返って「樹形図」による書き出しを丁寧に行うことが大切です。

積の法則も、元をたどれば樹形図の考え方が基になっています。

最初は時間がかかっても構いません。

丁寧に一つひとつ書き出す習慣を身につけることで論理的思考力が育まれ、やがて自然に効率的な解法も身についてきます。

2. 順序だてて整理し、効率よく考える

場合の数では、「全体を見渡す視点」と「細かく分けて考える視点」の両方が必要です。

樹形図を書くときは、数字や記号、アルファベットなどを用いて整理することで、書き出す手間を省きつつ構造的に理解することができます。

また、順列(並べ方)と組み合わせ(選び方)を区別して考えることで、無駄な重複や漏れを防ぐことができます。

面倒でも一度きちんと整理することで、後の見直しや検算が非常に楽になります。

3. 基本的なパターンを整理しておく

「場合の数」といえば、順列、組み合わせ、道順、サイコロ、試合、ぬり分け、コインの並べ方など、非常に多くのテーマがあるように思えます。

しかし、実際には「順列」か「組み合わせ」のいずれか、またはその応用に集約されます。

この基本的な分類が頭に入っていれば、複雑に見える問題でも「これは選ぶ問題か、並べる問題か」と問い直すことで本質が見えてきます。

あるいは、「組み合わせ」から「並べ方」を考える問題もあります。

すぐに答えを求めるのではなく、「まず分類・整理」から始める意識が、苦手意識を克服する第一歩です。

【例題で確認】

ここで、基本的な例題を3問解いてみましょう。

(1)0、1、2、3、4 の整数を使って、3桁の整数は何通り作れますか?
  →百の位には0を使えないため、4通り。
   残りは自由に選べるので、4×4×3 = 48通り

(2)1、2、3、4、4 の整数を使って、3桁の整数は何通り?
  ①すべて異なる数を使う場合:4×3×2 = 24通り
  ②「4」を2枚使う場合は、「4,4,▢」のように並べ、残り1つを1,2,3から選びます。
    4,4,1 の並び方は「仲間外れの1」の位置を変えて3通り、
    それが3パターンあるので、3×3 = 9通り
    合計は 24+9=33通り

(3)A,B の男子2人と C,D,E,F の女子4人が一列に並び、女子が必ず隣になる並び方は?
  →A,B をひとまとめにして1人と考え、全体を5人として並べる:5! = 120通り
   ただし AB, BA のように順番が入れ替わるため、120×2 = 240通り

【入試問題に挑戦】(山手学院 2024)

0,1,2,3 の数字を使って整数を作る。
ただし同じ数字は隣り合ってはならず、使わない数字があってもよい。

(1)3桁の整数は何通り?
  百の位は 1,2,3 の3通り、
  それぞれについて十の位は同じ数以外の3通り、
  一の位は十の位と異なる数なので再び3通り
  3×3×3 = 27通り

(2)3の倍数は何通り?
  3桁の数の組み合わせで、各位の和が3の倍数になるものを数える。
  該当する組み合わせと並べ方を整理すると
  11通り

(3)4桁のうち、6の倍数は何通り?
  6の倍数 → 3の倍数かつ偶数。
   一の位が偶数(0または2)で、上3桁の和が3の倍数になるように考える。
  → 0を末尾に:9通り
  → 2を末尾に:6通り
  合計 15通り

まとめ

「場合の数」は一見複雑で、苦手意識を持ちやすい単元ですが、ポイントを押さえて地道に整理していけば、確実に力がつく分野です。

大切なのは、公式やパターンに飛びつかず、「自分で書いて、確かめる」習慣を持つこと。

条件を丁寧に読み取り、順序立てて考える練習を重ねることが、入試で差がつく力になります。

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