今回は、前回の内容ともつながりますが、過去問との付き合い方についてお話しします。
「過去問の取り組み方」はどのような方法がいいのでしょうか?
下記5つのポイントを参考にしてみてください。
- 過去問は古いものから順に解いていく
- 問題・解答用紙は実際のサイズでおこなう
- 本番よりも5分短い時間設定で取り組む
- 演習中はできるだけ保護者の管理下でやる
- 結果の分析は必ずおこなう
5つのポイントについて詳しくご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
小澤 珠美
大学卒業後、15年間大手進学塾・株式会社早稲田アカデミーで、高校受験・中学受験の指導に従事。特に中学受験において、算数指導、受験指導、保護者の方のサポートに尽力し、合格実績に貢献。2009年度志望校別クラス・NN女子学院クラス総責任者。2010年に独立。
赤本(過去問)について
みなさん、いわゆる“赤本”(過去問題集)はどのようなやり方で取り組んでいらっしゃいますか?
“赤本”には大きく分けて2種類あります。
ひとつは「声の教育社」版、もうひとつは「東京学参」版です。
学校にもよりますが、選択可能であれば前者がおすすめです。
なぜなら学校が解答例を公表していない場合、後者は解答に誤りが散見されることがあるからです。
過去問の取り組み方で注意する5つのポイント
さて、過去問への取り組み方です。
5つのポイントをご紹介します。
- 過去問は古いものから順に解いていく
- 問題・解答用紙は実際のサイズでおこなう
- 本番よりも5分短い時間設定で取り組む
- 演習中はできるだけ保護者の管理下でやる
- 結果の分析は必ずおこなう
過去問は古いものから順に解いていく
まず、どのような順序で進めていくかという点です。
第一志望校については5~10年分の問題に取り組むことになると思います。
出題傾向に大きな変化がない場合は、原則「古→新」という流れがよいでしょう。
保護者の方が判断できない場合は塾の先生にアドバイスを求めてください。
問題・解答用紙は実際のサイズでおこなう
次に進め方です。
「解答用紙」を事前に現物に近い大きさ(B5→B4, B5→A3など)にコピーしてあげましょう。
もし、面倒でなければ「問題」部分も同サイズでコピーしてあげるとよいでしょう。
冊子形式のまま解かせると模範解答や解説部分が「たまたま」目に入ってしまうかもしれません。
そうなると過去問演習の意味がなくなってしまいます。
本番よりも5分短い時間設定で取り組む
入試本番が近づく11月・12月あたりからは、各科目とも本来の試験時間より「5分程度短い時間」で演習することをお勧めします。
ご自宅では「緊張感を持って過去問を解く」ことはなかなか難しいものです。
ある程度試験本番に近い環境を保護者の方が作ってあげたとしても、本番の緊張感には遠く及びません。
そこで制限時間を短めに設定し、お子さんに良い意味でのプレッシャーをかけてあげるのです。
ただ、注意しなければならない点もあります。
過去問に取り組み始める9月・10月の時期は、お子さんに過去問と互角に渡り合える学力がまだ備わっていないケースがほとんどでしょう。
その場合は、志望校の出題傾向に慣れるためにも当初は「制限時間+5~10分」でも構わないと思います。
過去問演習に入る前に、お子さんの仕上がり状況を塾の先生に確認してください。
演習中はできるだけ保護者の管理下でやる
お子さんが演習中、可能な限り解答・解説は保護者の方が管理してください。
さらに言えば、お子さんが「余計な誘惑」にかられないようにするためにも、問題のみコピーして解くのが理想です。
中には回答を見てしまう子も少なからずいます。
採点についてです。
これもまずは保護者の方が答案をチェックしてあげてください。
これまで塾の宿題等に関しては、お子さん自身が「採点」や「直し」もすべてしてきたというご家庭もあると思います。
そんなご家庭であっても、過去問演習についてはぜひ保護者の方に採点をお願いしたいと思います。
なぜでしょうか?
もちろん、お子さんたちは一生懸命過去問に取り組み、採点をし、できなかった問題の検証をおこなうと思います。
ただ、そこにはちょっとした“出来心”というか、ある心理が働くものです。
「第一志望の過去問なので、良い点数がいいな……」
「よい結果を見せてママ(あるいは塾の先生)に褒めてもらいたいな……」
そんな感情が働くと、採点が甘くなったり、演習中に模範解答を「チラ見」してしまったり……。
受験生なら誰しもありがちなことです。
そうした観点からも採点は保護者の方がおこない、その時点でのお子さんの学力を正しく評価してあげてください。
なお、国語の記述や算数の途中式等、保護者の方の手に余る問題があれば塾の先生に採点や解説をお願いしましょう。
結果の分析は必ずおこなう
結果の分析は必ずおこなってください。
たとえば、実施した過去問の得点状況を科目別・年度別に一覧化してみるとよいでしょう。
学校がデータを公表している場合「合格最低ライン」や「受験者平均」「合格者平均」が分かりますので、学校が要求する水準とその時点でのお子さんの状況とが具体的に見えてきます。
そうすると、たとえば「合格ラインまであと10点足らない。ならば算数であと1問、理科・社会でもう3点ずつ上乗せが必要」といったような当面の目標設定が可能となります。
お子さんも「次」に向けて気合が入ることでしょう。
できればお子さん自身の言葉で「振り返り」や「次に向けての目標」をノート等に記入させるとよいと思います。
さて、入試本番が迫ってくる。
一方、過去問演習で合格点に到達しない。
どう対処しましょう?
結論を一言で言えば、動揺する必要はありません。
たとえば採点を甘めにして下駄をはかせたところで、まったく意味はありません。
むしろ過去問の出来を見ながら、重点的に反復練習を繰り返すべき問題と、いわゆる「捨て問」とを判別しながら、メリハリをつけた対策を心がけることが重要です。
「メリハリのつけ方」が分からないという場合は遠慮なく塾の先生を「活用」してください。
きちんと過去問を見てくれている先生なら、たとえば「この年度のこの問題は解き直そう。
ここは手をつける必要なし」といったようなアドバイスをくれるはずです。
過去問は志望校から受験生に向けての大事な大事なメッセージです。
入試問題は、いわば「学校の顔」と言ってもいいでしょう。
入試当日に「これまでの中で最高の答案」を仕上げて、学校側に「ここに入学したい」という思いを精いっぱいぶつけてください。
極端なことを申し上げれば、過去問はその時点で合格点を取るべきものではありません。
2月1日、2日、3日……。
第一志望校の試験で合格ラインに届けばいいんです。
過去問演習では結局、一度も合格最低点に到達したことがなかったが、本番で合格した(はじめて合格点を取れた)。
私たちはこれまでそんな受験生をたくさん見てきました。
過去問演習がうまくいかないからといって「夢」をあきらめるのではなく、「自分はこの学校に入りたいんだ」という思いを強く持って、受験までの日々を充実させていきましょう。
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コース/クラス名 | 概要 |
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