小学6年生の中学受験模試(テスト)の合格可能性(％)の目安とは？

今回のテーマは、模試の合格可能性（％）についてです。

「たかが摸試、されど摸試」とよく言われるものの、模試の結果に一喜一憂されている保護者の方も多いことでしょう。

ぜひ、模試との正しい付き合い方や活用方法を知っていただき、お子さんの中学受験対策に生かしていただければ幸いです。

中学受験の「模試」の種類

一言で「模試」と言われるものには、いくつかの種類があります。

まず、6年生が具体的に受験校を絞り込んでいく際に参考とする模試があります。

具体的には下記のようなテストを指します。

• 合不合判定模試（四谷大塚）
• 首都圏模試（首都圏模試センター）　など

もう1つは、毎月（あるいは毎週）受けている、「カリキュラムテスト」や「週テスト」も「模試」に含めてよいかもしれません。

カリキュラムテストとは、単元の習得を把握するためのテストを指します。

ただ、今回の記事では、1つ目の「6年生が受ける模試」に限定して、お話をします。

模試の合格可能性（％）はかなりシビアに判定される

「合不合判定模試」にせよ、「首都圏模試」にせよ、あくまでも機械的な判定にすぎません。

とはいうものの各項目の結果（数字）、とりわけ志望校の「合格可能性（％）」は、かなりシビアなものです。

ここでの「合格可能性」とは、「同じ偏差値の子が10人受験した場合、そのうちの何人が合格できるのか」という指標を指します。

たとえば「50％」という数字が出たのであれば、「同じ偏差値の子が10人受験した場合、そのうちの5人が合格する」というようにご理解ください。

もちろん、合格可能性のパーセンテージが高いに越したことはありませんが、「第一志望校の合格可能性が80%」というすばらしい結果を持って受験本番に臨めるお子さんは、一体どれほどいるのでしょうか？　

これは、学校にもよりますが上位校や人気校ともなれば、せいぜい2割程度といったところです。

場合によっては、もっと少ないです。

合格可能性が50％前後でチャレンジする子がほとんど

では、模試で、一度も「80％」が出ないのならば、その学校の受験は断念して、志望校を変更したほうがいいのでしょうか？

まず、確認しておきたいのは、次の点です。

「多くのお子さんが『80%』の数字を持たずに、第一志望校にチャレンジする」

これが、ほとんどのケースです。

「50%前後」もしくは、もう少し低い数字でチャレンジするお子さんだって、決して少なくありません。

ただし、「ちょっと背伸びをした受験」をする場合には、併願校をしっかりと固めましょう。

こうした、バックアップ体制を整えたうえで、「第一志望校へのお子さんの想い」を、ご家庭でサポートしてあげてください。

合格可能性（％）が思うようにいかない場合には

しかしながら、

• 第一志望校の合格可能性が30%未満
• 模試を受けていく中で、パーセンテージが上がってこない

そんな苦しい思いをされているご家庭も、少なくないでしょう。

さて、このような時どうしましょう？

「あきらめて、志望校を変更する」というのも、一つの選択肢です。

ただし、同じ「30%」でも、「受かる可能性の低い30%」と、「受かる可能性の高い30%」があります。

だからこそ、諦めて志望校変更する前に、塾の先生とよく相談をすることをおすすめします。

なぜなら、お子さんの成績は、1月の「千葉・埼玉入試」、あるいは「地方校の東京入試」に始まり、受験回数や合格・不合格の経験を積むにしたがって、伸び続けます。

そして、2月1日から始まる「東京・神奈川入試」においても、わずか数日間でこちらが驚くほどメンタル的にも学力的にも大きく成長してくる受験生を私たちはこれまでたくさん見てきました。

そのため、志望校選定にあたって、ご家庭にお願いしたいのは、以下の二点です。

• 「偏差値」や「合格可能性」の数値に振り回されないこと
• 保護者の方の一方的な判断で、志望校を変えないこと

繰り返しになりますが、中学受験のプロである塾の先生のアドバイスを受けましょう。

大切なのは、まずはお子さんの気持ち。そして、パパ・ママの気持ち。

加えて、受験のプロフェッショナルである塾の先生の冷静な分析が欠かせません。

それらが、三位一体となってこそ、「一生に一度だけの中学受験」を成功に導くことができるのだと信じています。