「中学受験対策はいつから始めればいいの?」「小4の2月から塾に入るのでは遅いの?」と、中学受験をはじめるタイミングは気になるところです。
中学受験のカリキュラムは、一般的に小3の2月から小4の学習内容が本格的にスタートします。
一般的に塾では、2月から新しい学年として新学期を迎えます。
そのため、小学校での学年の扱い方と2カ月ほどズレが生じます。
しかし、小3の2月(新小4)から塾に通うのがベストという訳ではなく、小2の2月(新小3)のスタートがベストです。
今回は、「小2(新小3)から中学受験対策を始めるべき理由」を中心に解説し、小1・小2の時期にすべき準備や、小4・小5からでも間に合う中学受験対策について解説します。
小澤 珠美
大学卒業後、15年間大手進学塾・株式会社早稲田アカデミーで、高校受験・中学受験の指導に従事。特に中学受験において、算数指導、受験指導、保護者の方のサポートに尽力し、合格実績に貢献。2009年度志望校別クラス・NN女子学院クラス総責任者。2010年に独立。
中学受験の準備はいつから始める?
実際に中学受験対策の準備を始めるベストなタイミングについて解説します。
カリキュラムの多くは小3の2月(新小4)からスタート
まず、中学受験の多くのカリキュラムは小3の2月(新小4)から本格的にスタートします。
このタイミングより後に始めるとなると、いずれの塾のカリキュラムであってもお子さんはスタート段階からビハインドを背負うこととなります。
ただでさえ普通に取り組んでもハードな中学受験。
そこにスタートから、ビハインドを背負うことは避けたいもの。
中学受験をするか否かの判断、選択は遅くても小3の2月(新小4)までにはしたいものです。
小2の2月(新小3)スタートがベスト
「本格的なカリキュラムスタートが小3の2月(新小4)からだから、そのタイミングでいいのでは?」という声も聞こえてくるかと思います。
カリキュラム的には問題はないですが、これはたとえるならば、いきなり準備運動なしで本格的なサッカーの試合が始まってしまうのと同じです。
いきなり試合を始めてケガをしてしまうなんてことは、皆さん避けたいはず。
身体的にはもちろんのこと、精神的な負荷もかかってきます。
十分な準備期間として、「塾は楽しいところ」「学びは楽しい」という感覚を身につけるためにも、小2の2月(新小3)からスタートすることに大きな意味を持ちます。
小4の2月(新小5)からの中学受験対策は遅い?無理?
小4の2月(新小5)から中学受験対策を始めるのは、一般的には塾の規模を問わず集団授業では厳しいです。
特に、四谷大塚のカリキュラムやSAPIXのカリキュラムでは、算数は他の進学塾よりも半年ほど早く終了してしまうため、1年間で約2年分のカリキュラムをこなさなければなりません。
そのため、もし小4の2月(新小5)から中学受験を成功させるならば、集団授業を進めながら個別指導を併用し、足りない部分を補完をしていくことが必要です。
あるいは、4教科受験ではなく、2教科受験(算数と国語)に絞ることも選択の一つですが、そうなると受験できる学校も限定されてしまいます。
保護者の方が上記の内容を理解した上で、きちんとサポートをしてくれる塾とタッグを組めば、合格の可能性はあるでしょう。
しかし、大変なことが分かっていて、わざわざ中学受験をスタートする時期を遅らせる保護者はいないはずです。
やはり適切な時期にきちんと検討し、スタートする時期を親として選択する必要があります。
どんなに順調に学習を進めていても、ほぼすべてのお子さんが「やめたい」と言い出すものです。
そのタイミングは、①小5のカリキュラムがスタートするとき(小4の2月頃)②小5の秋、③小6の春が多いです。
小1・小2の間にすべきこと
「小1・小2からの中学受験対策は早すぎる」とお考えの方も少なくないでしょう。
私も基本的に同意見です。
ただし、誰かに強いられるような勉強ではなく、お子さん自身の学びへの好奇心や思考力、語彙力、表現力を伸ばす「学び」であれば非常に有効です。
本格的な受験勉強である小3の2月(新小4)のカリキュラムがスタートすると、カリキュラムに追われて、じっくり思考したり、様々な体験をしたりする時間は激減します。
時間がある小1・小2の時期に、知的好奇心をくすぐるような様々な体験、じっくり思考する場、幅広い語彙に触れる場を大切にしてほしいものです。
上記の内容を意図し、MOCOPLAではアドバンスクラスというオリジナルプログラムを組んでいます。
古文の冒頭文や俳句・短歌の暗唱など、日本語のリズム感の心地よさを学びの楽しさとともに体験してもらっています。
中学受験における各学年の目標
大手塾のカリキュラムで何事もなく受験期を乗り切れるお子さんは多くありません。
保護者のサポートや塾との連携のもと、多くのお子さんが危機を乗り越えていきます。
MOCOPLAでは、各学年の目標を下記のように定めています。
学年 | 目標 |
---|---|
小3 | 塾の楽しさを実感する 毎日の学習習慣を身につける |
小4 | 4教科の学習サイクルを構築する 段階的に自立学習の確立をする |
小5 | 完全な自立学習および目標の明確化をする |
小6 | 志望校合格に向けた計画的な学習をする |
MOCOPLAスタディでは、楽しさから厳しさや現実も同時に認知し、行動する力を身につけていくことを大切にしています。
小3・小4の時の関わりや目標が、お子さんが中学受験を辞めたいと言い出すタイミング、危機を乗り越えるための大きな力になります。
MOCOPLAでは4年間をかけて、お子さんの自立を育み、保護者の方と連携を取りながら、小6の2月に満開の桜を咲かせるため、指導に当たっています。
中学受験の成功には、子どもの精神的成長が不可欠
中学受験の成功にはお子さんの精神的な成長が不可欠です。
中学受験は、12歳の子がこなすには、かなりハードなタスクと言えます。
「なぜ中学受験をするのか」「中学受験は自分にとってどのようなものなのか」これらをお子さん自身がきちんと理解し、取り組めるようにすることが非常に重要です。
だからこそ、低学年から関わり、時間をかけ、お子さんに届く言葉でその都度伝えていかなければなりません。
そのための時間としても、準備期間も含めて計4年間(小2の2月~小6の2月)の期間が必要だと考えます。
まとめ
中学受験の塾通いは、お子さんの成長スピードを加味して、小2の2月(新小3)スタートがベストです。
もしさらに前に始めるとしたならば、単なる塾通いでなく、「何を学ぶのか」や「どんな学びの機会をお子さんに届けるべきか」をぜひ検討してほしいと思います。
ぜひ一度MOCOPLAスタディの体験や説明会にお越しください。