中学受験を目指すにあたって、学校を選ぶコツを知っているかで選択肢が大きく変わります。
そこで今回は、学校を選ぶ際のコツについて解説していきます。
小澤 珠美
大学卒業後、15年間大手進学塾・株式会社早稲田アカデミーで、高校受験・中学受験の指導に従事。特に中学受験において、算数指導、受験指導、保護者の方のサポートに尽力し、合格実績に貢献。2009年度志望校別クラス・NN女子学院クラス総責任者。2010年に独立。
中学受験の学校を選ぶコツ
学校を選ぶコツとして、「悩んだ時は、振り幅を大きく」ということをテーマに、話を進めてまいります。
具体的に志望校を選ぶ段階になりました。さて、どこを受験しましょう?
「うちの子には、共学よりも女子校のほうが合っているような……」
「やっぱり、大学付属かな……」
「ミッション系の学校に行かせたい……」
「理系に強い学校がいいな。でも現段階では、明らかに文系なんだよな……」
志望校選定にあたって、こうした悩みは尽きることがないと思います。
たとえば、「わが家で譲れないもの」が、「通学時間は片道50分以内」だったとしましょう。
この条件に見合う学校で、受験校選定に悩んでいるのでしたら、「振り幅を思い切り大きく」とって、具体的な学校名を挙げていくといいと思います。
「通学時間」が譲れない条件であるならば、たとえば「女子校でミッション系の学校」も選択肢にあがるでしょう。「共学の大学附属校」、これも選択肢になりえます。
学校を選ぶコツの具体例
具体的に考えてみましょう。
仮に、受験生は女の子。自宅は四ツ谷。四ツ谷駅(JR・地下鉄)から徒歩8分のところに、お住まいだとしましょう。譲れない条件は「通学時間片道50分以内」とします。
たとえば、女子学院、雙葉、白百合、大妻、麹町女子、三輪田、千代田国際。このあたりの学校でしたら、「徒歩(自転車)圏内」ないし「電車で一駅圏内」です。通学には、至極、便利です。地震等、災害時の帰宅困難も生じないでしょう。
「でも、電車通学にちょっとあこがれる」なんてお考えのお子さんも、いらっしゃるかもしれません。
東京メトロ南北線の利用を考えるのであれば、たとえば、東洋英和(六本木)があげられます。自宅→地下鉄四ツ谷→麻布十番(約20分)。地上に出るまでにかなり歩かなければなりませんが、それでも、乗車時間+徒歩で、50分以内には、余裕で収まります。
JR(中央線・総武線)経由であれば、選択肢はさらに広がります。
たとえば、法政大学中学校(三鷹台)はいかがでしょうか?。1回、乗り換えがありますが、自宅→JR四ツ谷→吉祥寺→京王井の頭公園(約40分)。駅からは徒歩10分強、といったところです。脚力に自信があるのなら、吉祥寺から徒歩、という選択もあり。ただしこの場合、「50分」を若干、オーバーしてしまいそうです。
同じ沿線で、吉祥女子という学校もあります。こちらは、自宅→JR四ツ谷→西荻窪(約25分)。駅からは徒歩10分弱、といったところです。
以上、「通学時間」を条件に、例示しただけですので、学校のカラー等に統一感はありません。ただ、こうして「振り幅を大きく」とり、さまざまな学校を比較対照されることで、ご家庭の教育方針との接点や乖離点が見えてくる、という面もあるのではないでしょうか。
まずは、「譲れない条件」の範囲内で、全くカラーに違う学校を、3~5校程度、ピックアップしてみることをおススメします。
そうやって、ある程度の絞り込みをしていく中で、「ウチはやっぱり女子校だな」とか、「大学附属なら、多少遠くてもいいか」といったように、さらに「譲れない条件」が見えてくると思います。
迷ったら、「振り幅を大きく」。これが志望校選定の1つのコツです。ぜひ、みなさんのご家庭でもお試しください。