今回は、平面図形、特に角度について取りあげていきます。
図形に対する苦手意識、角度の問題に対する苦手意識を持ってるお子さんは少なくないかと思います。
この記事を通して、ひとりでも多くのお子さんが「図形が楽しい!」「図形問題が好き!」となるきっか
けとなれば嬉しいです。
図形に苦手意識を持つ子は多い
今回は、平面図形、特に角度に焦点を当ててお話しします。
図形や角度の問題が苦手なお子さんは少なくないと思います。保護者の方からよく聞くのが「うちの子はひらめきがないんです」という言葉です。
しかし、図形問題を解くために本当に「ひらめき」が必要なのでしょうか?
私の答えは「No」です。
図形問題を解くには、基本的な知識やツールの使い方を正しく理解し、活用できるようにすることが大切です。
そうすることで、解き方が自然と見えてきます。
図形問題を解くコツ
難しい言葉はいりません。形で覚えてしまいましょう。
中学校で学ぶ内容なので、角度に関する言葉には難しいものが多いです。
「対頂角」や「同位角」、「錯角」などが出てきますが、小学4年生の段階では、これらの言葉を覚えることよりも、その形をしっかり覚えることが大切だと思います。
また、図形が苦手なお子さんの多くは、自分で図形を描こうとしないことが多いです。
復習する際に、視覚にしっかり残るように、色を使ってノートに書き残すことが大切です。
ツール①対頂角
例題1 次の図で、(あ) 、(い) の角の大きさを求めなさい。
まずはバッテン(対頂角)を見つけていきましょう。ここで大切なのは、「バッテン・バツ印」はイメージです。
上記のバッテンが見つかれば、(あ) =35°はすぐにわかります。
直線は 180°なので、以下のとおりに考えます。
(い)=180‐90‐35
=55°
ツール②同位角
例題2 次の図で、(あ) 、(い)の角の大きさを求めなさい。
ここでのイメージは、「LL 型」です。授業で子どもたちに伝えるときは、「LL くん」と呼んでます。
まずはLLくん(同位角)探しからです。
このように見つけられれば、(あ) =45°を求められます。
そして、(い)は、同様にLLくんを使うならば、次のようになります。
60°と逆向きのLLくんに注目し、(い)はその角とバッテンの位置にいるので、等しく60°と求めることができます。
ツール③錯角(さっかく)
例題2では、(い)を求めるのにLLくん(同位角)とバッテン(対頂角)を使って解きましたが、別の方法もあります。
ここでのイメージは、「Z型」です。そして、「Zくん」です。
そんな風に呼んでいると、子どもたちの中では楽しく図形探しが始まってきます。
このZくん(錯角)を使って一発で解くのも有効です。
図形問題が得意になる秘訣
お子さんが「図形は苦手!」というのであれば、まずはノートに作図をして復習をすることからぜひ始めてみてください。
4年生の角度の学習では、はじめにお伝えしたように「対頂角」などの用語を覚える以上に形で捉えることを意識し、復習ノートも作っていくといいでしょう。
「LL くん」、「Z くん」とポイントを入れることで、お子さんが楽しく、かつ記憶に残る復習ノートを作っていけるといいと思います。
難易度が上がってくる5年生以降の学習効果を上げるために、MOCOPLA ではノート指導に力を入れています。4年生の図形の復習ノートづくりは、その第一歩としていきたいところです。
図に条件をしっかり書き込む
図形問題を頭の中だけで解こうとすると、条件が増えるにつれて難しくなります。
特に問題が複雑になると、図にしっかりと条件を書き込んでいないと解きづらくなります。
例えば、「三角形ABCは二等辺三角形である」といった記述があれば、等しい辺や角に印をつけることで、次の解法へのヒントに気づくことが多いです。
復習の時に自分でノートに図を描き、整理する
復習の際は、ノートに図を描いて整理することをおすすめします。
複雑な図形の場合、問題集に直接書き込んで満足するのは非常にもったいないです。
図形をコピーしてノートに貼り、その上に書き込む方法も、一時的には役立つかもしれませんが、長期的に図形の力を伸ばすためには、やはり自分で図を描くことが大切です。
最初は上手に描けなくても、ぜひフリーハンドで挑戦してみてください。復習を続けていくうちに、少しずつ正確な図が描けるようになります。最初から完璧に描けなくても、これも練習の一部です。
試験では、限られた時間の中で線分図や面積図などを描きながら解くことが求められることがあります。円や複雑な図形でも同じです。
普段から方眼ノートを使うことをおすすめします。
最近はドット入りのノートもありますが、特におすすめなのは、A4サイズの5mm方眼ノートです。
B5サイズでも構いませんが、復習用ノートはスペースを広く取れる方が便利だと思います。ノートのメーカーは特にこだわらなくても大丈夫です。