日本工業大学駒場中学・高等学校(以下、本文中では「日駒」と省略します)の、塾対象説明会に参加してきました。
説明会の内容やアクセス、入試情報などをご紹介します。
日本工業大学駒場中学・高等学校の所在地・アクセス
まずは、アクセスです。
バス通学もありですが、最寄駅は、「駒場東大前」(京王井の頭線)もしくは、「池尻大橋」(東急田園都市線)になります。
「駒場東大前」からは、あっという間で、3分ほどなので道に迷う心配もありません。
一方、「池尻大橋」からは、学校案内によれば徒歩15分とのこと。
一本道ではあるようですが、ここは断然「駒場東大前」に軍配が上がります。
日本工業大学駒場中学・高等学校の志願者数は増えている
さて、「日駒」は、中学受験界で、今“熱い学校”のひとつです。
それは、ここ数年の受験者数・入学者数の推移をみても、一目瞭然でしょう。
現在のところは、男子の比率が圧倒的に高いのですが、女子の人数も、着実に増えています。
受験者数
年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
男子受験者数 | 583名 | 757名 | 1259名 |
女子受験者数 | 120名 | 134名 | 228名 |
合計 | 703名 | 891名 | 1487名 |
入学者数
年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
男子受験者数 | 122名 | 147名 | 182名 |
女子受験者数 | 17名 | 25名 | 34名 |
合計 | 139名 | 172名 | 216名 |
「理系で大学付属」というと、「東京都市大」や「芝浦工業大」、「東京電機大」などが思い浮かびますが、とりわけ前二者については、難化しすぎたきらいがあります。
「日駒」が、志願者数を伸ばしているのには、そうした背景もあるのでしょう。
ただ、それ以上に、学校の教育方針や授業内容に、多くの保護者や受験生を惹きつけるものがあることも確かです。
日本工業大学駒場中学・高等学校の教育方針や授業
次に、日駒の教育方針と授業についてご紹介します。
教育現場にはデジタルが大胆に導入されている
日駒は、明治40年(1907年)に創立された、日本工業大学(当初は東京工科学校)グループの学校のひとつです。
理系の学校だから、ということでもないのでしょうが、教育現場には「デジタル」が大胆に導入されてはいます。
とはいえ、学校教育の力点は、「調和・協調・人柄を育む人間教育」に置かれており、伝統校としての懐の深さを感じさせてくれます。
「学校らしい学校」といえるでしょう。
多様な角度から分析し、真実に迫る視点を身につける授業
授業も、面白そうだったので、数学と社会の実例を紹介します。
日常生活での応用まで考えさせる数学
JR東日本は、北海道新幹線の東京‐新函館北斗間を、3時間台で結ぶために、青函トンネル間(約54㎞)の列車の走行速度を、時速140㎞→160㎞に上げたそうです。
「そのことで、どれだけの時間短縮が可能になったか?」
日駒の数学では、それを生徒たちに計算させます。
答えは約2分54秒。
ただ、それによって目標である「3時間台」を確保することができたそうです。
授業では、「なぜJRは3時間台にこだわるのか」あるいは、「それに伴い、どんなリスクが生まれるのか」といった点まで考えさせるようです。
数学の考え方が、日常の中でどう応用されているのか。
そのつながりがリアルに見える教育を受けていれば、「数学オンチ」にならずに済む可能性は高いです。
常識や通説を無理に押し付けようとしない社会
世間では「地球温暖化」が、当たり前のように語られています。
しかし、これに対して「逆に地球はこれから寒冷化に向かう」という有力な反論もあります。
そんな中、日駒では数々のデータや分析をもとに、生徒たちに問いかけます。
- 温暖化の“主犯”は、ほんとうに「二酸化炭素」なのか?
- はたして、「シロクマ」は絶滅するのか?
- 「ツバル」は水没するのか?
- そこに原発推進などの「温暖化利権」は絡んでいないのか?
日駒では、社会的事象を多様な角度から分析し、真実に迫る視点を大事にしているようです。
常識や通説を無理に押し付けようとしない姿勢には、強く共感を覚えます。
「実学」を重んじてきた学校ならではの強味でしょう。
日本工業大学駒場中学・高等学校の入試形態
さて、入試についてです。
実は、日駒の入試形態(というよりも合否判定)は、良い意味で「特異」です。
「受験生ファースト」の姿勢が強く打ち出されています。
教科型入試は2科もしくは4科
まず、「教科型入試」として、2科受験もしくは4科受験を選択できます。
2科で受験する場合、「得意2科選択」として、算数か国語のいずれかを選びます。
そして、残り3科(算国のどちらかと、理社)の中から、得意な科目をもうひとつ、選ぶかたちとなります。
従って、教科選択のパターンは、「算国」「算社」「算理」「国社」「国理」の5つ。
ただし、2月1日入試に限り、英語選択ができます。
その場合、受験パターンは、「国英」「算英」のいずれかとなります。
4科受験の場合、算国理社のすべてを受験することになります。
ただし、合否判定は2科で。
算数・国語のうち、いずれかの得点の高い科目と、残り3科目のうち、最も点数が高かった科目との合計点で、合否が決まります。
このほかにも、「プレゼンテーション型」「適性検査型」の入試があります。
受験料は23,000円均一
受験料は、複数回出願の場合でも、23,000円で均一。
複数回受験の場合、2回目以降の受験では、合格判定用の持ち点に「10点加算」というメリットもあります。
志望順位が高いなら2月1日受験がおすすめ
合計6回の入試が用意されていますが、後の回になるにつれて、合格は「狭き門」となります。
志望順位の高い受験生は、2月1日受験がおすすめです。
その他、説明会やオープンキャンパスの日程等、お知りになりたい方は、MOCOPLA四ツ谷教室もしくは荻窪教室までお問い合わせください。
入試要項等、詳細につきましては、以下、日本工業大学駒場中学・高等学校のHPをご覧ください。
(文責・志賀)