中学受験の必須単元「つるかめ算」とは?効果的な学習法と解き方を徹底解説

つるかめ算は、中学受験の成功に欠かせない重要な単元です。

基本的な解法をしっかりと身につけ、応用問題にも対応できるようになることで、他の受験生との差をつけることができます。

ぜひ、効果的な学習法を実践し、つるかめ算を得意科目にしていきましょう。

目次

つるかめ算とは?

つるかめ算は、古典的な数学の問題形式で、主に2種類の数量(例:鶴と亀)を扱います。

たとえば、鶴の足は2本、亀の足は4本であり、全体の足の数から鶴と亀の数を推定するという問題です。

この問題形式では、与えられた合計の数量を、異なる条件をもとに分解して計算します。

つるかめ算が中学受験で重要な理由

つるかめ算は、中学受験で頻出の算数の単元です。

2種類の数量の合計を、異なる条件をもとに計算することで求める問題形式で、思考力と計算力の両方が求められます。

中学受験において、つるかめ算が重要視される理由は、単に計算力だけでなく、問題解決能力や論理的思考力を鍛えるためです。

なぜつるかめ算が中学受験で出題されるのか?

つるかめ算は、基本的な算数のスキルだけでなく、複雑な思考力や応用力も求められるため、中学受験の範囲でよく出題されます。

この問題形式をマスターすることで、他の応用問題にも対応できる基礎が築かれるため、教育の現場でも重要視されています。

つるかめ算の解き方

つるかめ算の解法にはいくつかのアプローチがありますが、代表的なのが面積図を使った解法です。

基本の面積図を使った解法ステップ

面積図を使用する方法では、全体を1つの四角形として表し、その中で各数量を分割して計算します。

たとえば、鶴と亀の合計数をそれぞれ異なるエリアとして図示し、その面積から求める数値を計算する手法です。

これにより、視覚的に問題を整理することができ、複雑な問題でも解決しやすくなります。

つるかめ算の応用問題に挑戦

つるかめ算の基礎が理解できたら、次は応用問題に挑戦することが重要です。

条件不足のつるかめ算(いもづる算)や割合のつるかめ算が代表的な応用問題です。

応用問題を解くための3つのステップは以下のとおりです。

  1. 条件を整理する – 問題文をしっかりと読み込み、与えられた条件を理解する。
  2. 式を立てる – 条件をもとに適切な式を立てる。必要に応じて簡略化する。
  3. 計算を実行する – 表や図を活用しながら、計算を行い、解を導き出す。

これらの問題では、単純な計算だけでなく、複数の条件を整理して解を導く能力が必要とされます。

条件不足のつるかめ算(いもづる算) 

例題1 

あるおかし屋さんで1個60円のチョコと1個150円のプリンを売っています。このチョコとプリンをそれぞれ何個か買って、代金の合計が1500円になるようにします。それぞれ少なくとも1個は買うものとします。チョコとプリンの買い方は、全部で何通りありますか。 

チョコの個数をx個、プリンの個数をy個として代金の合計を式で表します。 

 60×x+150×y=1500(円)…① 

つるかめ算の基本問題では、チョコとプリンの個数の合計が含まれていましたが、今回はその条件が欠けています。

そのため、答えが一つに決まらない状況になっています。

まずは、①の式を30でわって簡単にし、計算を少し楽にします。 

2×x+5×y=50 

そして、表に整理していきます。 

チョコ(個)0510 1520
プリン (個)10 86420
✖ ✖ 

まずは、プリンの購入数を最大にした場合を考えます。50を5で割ると10個が最も多く買える数ですが、この場合、チョコが0個になってしまい、条件を満たしません。

次に、順を追って計算していく方法もありますが、2と5の最小公倍数である10を基に考えると、プリンの数を2個減らすごとに、チョコの数は5個増えるという規則を見つけることができます。

この法則を見つけると、表の作成がスムーズに進みます。

大きな数のままで表を作ることや、1つ1つのケースを無作為に調べることなく、これらのポイントを活用して効率的に表を作成することが、得点力を高めるコツです。

なお、「いもづる算」という名前は、いものつるを引っ張ると次々にいもが出てくる様子に由来します。このように、1つの事実が明らかになると、それに関連する事実が次々と明らかになるという意味で「いもづる式」という言葉が使われています。

割合のつるかめ算 

次は2種類の割合の増減をつるかめ算で解くパターンの問題です。 

例題2 

 ひろしくんのクラスの36名のうち、シャーペンをもっている人は、男子の[数式]、女子の[数式]で、合わせて23人です。男子の人数は何人ですか。 

この問題を解くために、まずは男子と女子のクラスの生徒数をそれぞれ「1」として式を立てます。

男子×1 + 女子×1 = 36(人)…①

次に、シャーペンを持っている人数についての式を立てると以下のようになります。

男子×[数式] + 女子×[数式] = 23(人)…②

以上のように①と②の式を立てることができます。中学生レベルではこれを連立方程式で解くことが多いですが、小学生の場合は、割合を揃えて消去算のようにして解くことになります。

  1. の式に[数式]をそれぞれにかけて女子の割合を②の式とそろえます。 

男子×[数式]+女子×[数式]=36[数式](人) 
男子×[数式]+女子×[数式]=18(人)…③ 

  1. と③の式の差に注目していきます。 

  男子×[数式]+女子×[数式]=18(人)…③ 
- 男子×[数式]+女子×[数式]=23(人)…② 

男子×([数式]―[数式])=23-18 
男子×[数式]=5
男子=5÷[数式]
   =20(人) 

これを最初の①の式に代入すると、男子が20人、女子が16人であることがわかります。

今回の例では、分数を使って割合を求めましたが、もしこれが小数や分数と小数の組み合わせで出題された場合、計算が少し煩雑になることもあります。

そんな時に便利なのが「比」です。

最初から割合を整数の比率で表すことで、計算が一層簡単になります。

例えば、クラス全体の男子の人数とシャーペンを持っている比率を以下のように与えられた場合、これらの分数を比に置き換えます。

クラスの男子の人数:シャーペンを持っている男子の人数=4:3
クラスの女子の人数:シャーペンを持っている女子の人数=2:1 

これにより、最初に設定したように、クラス全体の人数とシャーペンを持っている生徒の人数を比較していきます。

男子×4+女子×②=36(人)…④ 
男子×3+女子×①=23(人)…⑤ 

1と2の最小公倍数2で女子の割合をそろえます。 

 男子×4+女子×②=36(人)…④
―男子×6+女子×②=46(人)…⑥ 

男子×2=10 
男子=10÷2×4
  =20(人) 

このように考えると、整数を扱うことで計算ミスが減り、より解きやすくなるのではないでしょうか。

算数が得意になるかは「比」がポイント

算数の学習で、得意か苦手かを分けるポイントの一つが「比」です。

割合の問題を解く際に、小数や分数で解くのか、それとも整数で解くのかは、「比」の学習のタイミングに左右されます。

最終的には整数比で処理する方が効率的ですので、最初から整数比で解けるように指導すると、解きやすくなる子どもも多いでしょう。

このように、算数では学習段階によって解法が変わることが多く、「比」の導入がその分岐点となります。「比を制する者が算数を制す」と言う講師もいるほどです。

塾の先生によっては、あえてテキストとは異なる解法を教えることもあります。

「比」の学習を待つのではなく、早い段階から簡単な比の説明を取り入れ、整数比で解く方法を導入するのが良いでしょう。

算数には覚えるべきことや、やるべきことがたくさんありますが、最短でゴールにたどり着けるよう指導することが重要だと考えています。

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